治療方針

患者様目線で将来を見据えた診療を

将来を見据えた診療を

患者様の人生や将来を考えて診療方針を考えます。特に抜歯について検討する際は、その歯が患者様の生涯を通して健康な状態を保てる歯であるのか、それとも今のうちに抜いた方がいいのか、慎重かつ十分に考えて見極めます。歯科医としてのキャリアは33年になり、今までに数多くの患者様を診てきましたので、長年の経験をその見極めに生かしています。
歯を抜かない歯科医を良い先生だとする考えもありますが、どこかのタイミングで抜かなければ後々問題になることがあります。ある歯が数年はもつけれども、その後に病気になりトラブルを引き起こすケースがありますので、今の状態だけでなく患者様の将来までを見据える必要があるのです。骨粗しょう症の薬を服用されている患者様が抜歯をすることで、薬の副作用が出る可能性もあります。そういったさまざまなことを検討した結果、歯を抜くという提案をするときはあります。ですが、抜歯は患者様の気持ちに大きな影響を及ぼすことがあるため、安易に「抜きましょう」とは言いません。先生によっては1つの治療を明確に定めてその方針でいきましょうという方もいますが、私の場合は常に3つほどの選択肢を患者様が考えられるようにお話し、その中に抜歯という選択があることを伝えるようにしています。

先達に学んだ患者様目線

患者様一人ひとりに合わせた診療を心がけているのは、今までにお世話になった歯科医の先輩方のおかげです。私は日本歯科大学を卒業後、10年間大学の医局に所属していました。大学や医局にいたとき、先輩から患者様に対する誠実な姿勢を学んだのです。いつもにこにことほほ笑みを絶やさず、説明が非常に丁寧でした。患者様の生活の細かいことも聞いており、全く偉ぶるところがありませんでした。またある先生は、患者様に説明するときは寝かせたままにせずに起きてもらい、「歯科医は患者様が聞きやすいように斜め45度から話しなさい」とおっしゃっていました。患者様のことを考えれば確かにそうだと共感し、今でもその教えを守っています。先輩方のそういった患者様に対する真摯な姿を折に触れて目にし、徐々に意識が変わっていきました。今思えば、若いころは患者様の生活や考えまで思い及ばず、学んだ学問や医局で習った最新技術を提供しようとしていたのです。目線が高かったかもしれないと反省し、患者様に寄り添う診療に変わりました。患者様の症状や今後考えられる症状の進行、治療における要望、生活背景などのバランスを考えながら治療方針を決めるようになったのです。

「愛の医術」を胸に

少し照れますが、座右の銘は「Dentistry is a work of love」です。これは、私の祖父が内村 鑑三先生のところに行ったときに一筆いただいたお言葉です。私が育った長野県に避暑にきたことがあり、歯痛のために歯科医院に来院したときにいただいた言葉とのことです。愛の医術という意味で、一筆いただいたものが私の実家にあります。私が若いころは馴染みの薄い言葉でしたが、歯科医として経験を積むと段々と心に染みてきて、その先生のおっしゃられたことの意味がわかるようになってきました。
歯科医を務めていて最もうれしいのはやはり、患者様が診療後に笑顔になってお家に帰られることです。長くこの地で診療していますから、患者様だったお子様が成長して立派な大人になって来られたときに、その姿を見るだけでうれしくなります。世の中にはさまざまな仕事がありますが、歯科医は人様を見られる幸せな仕事で、正に愛の医術なのだと実感します。

理想とする9020に向けて

8020(ハチマルニ―マル)運動をご存知でしょうか。1989年に当時の厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会が「80歳になっても自分の歯を20本以上保ちましょう」と提唱し、現在も自治体などを通じて一般に向けて呼びかけている運動です。この運動の策定に主任教授の鴨井 久一先生が関わっていました。先生はとても情熱的な方で、今は「9020を目指そう」とお話しされています。90歳で自分の歯を20本以上残そうということです。実際に、患者様がご自身でよく歯を磨いていたり、歯科医院で手入れをしてもらったりして、90歳でも健康な歯が多い方はいらっしゃいます。ですので、9020は決して絵空事ではなく、私もそうなれば理想だと思います。抜歯については慎重に検討しますが、もちろん、ご高齢になられても健康的な歯がたくさんあってほしいという願いがベースにあり、その見極めに真剣に取り組んでいるのです。

特定非営利法人日本歯周病学会の歯周病専門医として

磨くことが治療のスタート

歯周病は歯を支える歯茎や骨が壊れていき、最後には歯が抜け落ちてしまう病気です。厚生労働省の調査によると、日本人の40歳以上のおよそ8割もの人がかかります。この病気はブラッシングで予防できるとよく聞かれますが、同時に治療にもなります。歯周病治療の始まりは、まず正しい歯磨きをすることからなのです。少し厳しい物言いになってしまいますが、お口を開けて歯科医に治療を施されるのを待っているだけでは治りません。日頃からの丁寧な歯磨きが大切で、その大切さを患者様に気付いていただくことも私の務めだと考えています。私の専門の一つが骨を復活させる再生医療で、その分野に取り組んでいた時期もありましたが、まず口の中の汚れを取り除くことが大切なので今は原点に帰った治療をしています。
丁寧に良く磨けている方がいる一方で、歯磨きをあまりしない人もいるため、歯磨きの指導についても患者様に合わせてお話します。習慣になりづらい方にはお口の中の状態と歯磨きの効能を十分に伝え、状態が少しでも良くなっていればよくほめております。状態が良くなり出血が減ってくると「全然(血が)出なくなりましたね。よく歯を磨かれているおかげで良くなっていますよ。さあこの調子でまた磨いていきましょうね」というようにお伝えしています。症状に関連する数値を治療の根拠にはしますが、説明する際は歯磨きの効果を実感しやすい言葉を選んでお話しすることを意識しています。

セカンドピニオンにも対応

特定非営利法人日本歯周病学会の歯周病専門医を取得しておりますので、信頼を寄せていただいている患者様からセカンドオピニオンを求められることも多いです。専門医とは、特定の分野について高度な知識と確かな技術、豊富な経験を持つ医者や歯科医のことを言います。またセカンドオピニオンとは、患者様が自分の症状などについて主治医以外の医者や歯科医に意見を求めた際の診断のことです。セカンドオピニオンを求められた際は、患者様の状態と主治医の所見を踏まえて、患者様に何をお伝えすればよいかを考えてじっくりとご説明します。このときに患者様が求めているのは手早い治療ではなく、自分の症状や主治医の診断などへの深い理解と、自分がそれらに対してどのように考えれば良いのかという指針のため、言葉を尽くしてお話します。

幅広い患者様に利用していただくために

地域の駆け込み寺に

当院では平日と土曜日は午後8時まで、日曜日と祝日も午後1時まで診療しておりますので、仕事終わりの会社員の方や急遽来院の必要ができた人などがよくいらっしゃいます。今は日曜日に診療している歯科医院が珍しくなくなりましたが、開業当初は少なく、地域にお住まいの方には何かあったらミカエル歯科にと思っていただけているのかもしれません。
開業当初の患者様はお子様が多かったですが、年数が経つにつれて年齢層が広がっていきました。中には定年退職した方で、「在職中は会社の近くの歯科医院を利用していましたが、これからは家の近くのミカエル歯科に通います」と言ってくださる方もいらっしゃいます。私は東京都で生まれ長野県で育ちました。妻を通じてご縁があり、ここ千葉県で開業しました。故郷ではないですが、その分より一層地域に親しまれる歯科医院に、また駆け込み寺のような存在になれていることがうれしいです。今後も多くの患者様を受け入れる診療体制を継続していきたいです。

「保険の範囲内でいい義歯を」がキャッチフレーズ

保険診療内で良い義歯を

歯周病治療のほか、入れ歯にも注力しています。患者様の経済的な負担も考えて、「保険診療内で良い義歯を」をキャッチフレーズに掲げており、入れ歯についても診療コンセプトと同じように患者様の意向を踏まえた上で治療内容を決めます。抜かないことを希望している患者様に対しては、入れ歯を作って問題がないか経過観察をします。その後問題が起きそうな場合は抜歯についても検討していきます。